九州は長崎、某施設。広大な園内いっぱいに咲き誇るバラの群生。
運河に並ぶ水車の横をガラスポートが行く。オランダを模したこの一大観光地はかって確か、一日何万もの観光客が訪れ大盛況だった・・・筈。・・・。だが先ごろ行って驚いた。目で数える程の少ない人影。園内のショップはところどころしか開いておらず、
辺り一面の美しいバラ達も心なしかさみしそう。
「リピート」・・・そんな言葉が脳裏をよぎった。
かって訪れた人たちはリピートしていないのだろうか・・・。
私のすぐ何かを感じてしまう悪い癖が目を覚ます。そしてたちまち我が美容サロンのことを考えてしまう癖。我が美容界は九割はリピートのお客様。何度も何度も来ていただけるありがたさ、幸せ。
“髪は容赦なく伸びるから、もっときれいになりたいから、いや他のサロンに変えるのが面倒だから”・・・いろいろな理由の中でお客様は今日も又来店してくださるありがたさ。でも、リピート無く、すべてたった一回だけのお客様だとしたら・・・。五月なのにぶるっと肌寒さを感じた。当たり前のことだが、「お得意様」のありがたさを身にしみて感じた。さて、上記の某施設の経営陣は今、大変な改善と闘っていることだろう。何故、どうして、、そしてどうしたら・・・。命がけで、死力を尽くして時代の感性と闘っているに違いない。血のにじむような苦悩が園内一面、膨大に、あまりにも美しいバラ達が語っていた。
再び蘇ってほしい。
「リピート」・・・この究極の課題、時代感性の欲求。美しいだけでは足りない、面白い、上手だけでもまだ足りない。心の底から必要とし、幸せ気分にさせてくれる事物とは・・・
我が美容界だって、このまま安閑としていていい筈はない。もっともつと勉強いたします。もっともっと考えて行動して、もっともっとお客様に幸せ気分になっていただきたい。そしてあなた方が絶対に必要と言われたい。
観光そっちのけの私の脳裏でありました。
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