【化粧】という言葉を辞典で調べてみると、「顔など美しく作り飾ること」と有りました。当たり前のことですが我々美容師は【化粧】という言葉に敏感です。美しくするという言葉に敏感です。
今年もイルミネーションで美しくなった銀座を待ち兼ねて何度も何度も行きました。ピカピカと赤、青、黄色、そしてダイヤのようにキラキラ輝く美しい白。ああ、何と美しい街銀座。ああ何と幸せ気分に浸れる街、銀座。街全体がゴージャスに【化粧】して・・・
うん?でも・・・
あまりの美しさの中でふと、少し飾り過ぎではないかと美容師本能が働きます。
美しいとは?【化粧】とは何ぞや?
あまり美しく飾り過ぎるとそこに何かを包み隠そうとする偽りの臭いがありはしないか・・・
本来ひねくれ者の本能がムラムラと頭を巡ります。
次から次と【化粧】という言葉にとらわれて連想が脳裏を走ります。
そう言えば今年一年を振り返ると【化粧】が剥がれる事件があったけなあ!
産地偽装や偽りの賞味期限、それを「有名老舗」のラベルで【化粧】をしていたり・・・
そう言えば先日打ち上げられた月探査衛星〔かぐや〕が映し出す映像で、地球はあんなに青く美しいのに、中では自爆テロやら地球温暖化に資源高騰・・・外見は青く美しく【化粧】して、地球よお前もそうして内部の矛盾を包み隠すのか、そんな思いがしたっけなあ!
次から次とマイナス思考まっしぐら。そうしてやっとわれに帰り思い直しました。でもでもしかし、でもしかし、【化粧】という言葉はやはり女性だけに与えられた美しい響き。女性が美しく化粧して幸せそうでいるだけで誰もが幸せ気分に満たされます。きれいに【お化粧】した幸せそうな女性が多く集まる街は、そこに時代の真実があるからなのかもしれません。
「女性の力は今こそ世の中に絶大」
そんな事を思い巡らす銀座の街角でした。